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灰白質は厚さがせいぜい5ミリ程度の外層で、機能別にいくつかの領域に分かれている。
脳の外皮とも言うべき灰白質は、人間の場合、とても面積が広いので、頭蓋骨に納めるためにしわくちゃに折りたたまれている。
脳に不可欠とされているもの、つまり脳神経細胞の細胞体と、樹状突起と呼ばれる短い枝のような部分の多くが、灰白質に存在している。
樹状突起はアンテナのようにあちこちに伸びて、ほかの神経細胞から情報を受けとる、また灰白質にはシナプスもたくさんある、これは樹状突起の先端部分というより微小なすきま、で神経細胞はここで化学的なメッセージをやりとりする(ちなみに脳の白質と呼ばれるところは、おもに軸索で構成されている。
軸索は神経細胞がもつ一本の長い軸で、脳の離れたところや奥深い場所まで伸び、ほかの神経細胞に信号を送っている)。
脳の基礎的な発達は遺伝子が請けおっているが、神経細胞の接続、樹状突起やシナプスは、使われる頻度が高く、神経伝達物質をよく受けとるところほど成長し、栄えていく。
「使わないところはだめになる」のが脳のありかたである以上、人生経験、良かろうと悪かろうと、が脳の構成を左右することは十分考えられる。
たとえばラテン語をたくさん勉強した日は、ラテン語関係のシナプスが「1日をつかむ」のだ。
多くの神経科学者が、こうした事実を踏まえてGたちの研究を見ると、ティーンエイジャーの脳は、完成にほど遠い状態であることを認めざるをえない。
むしろ彼らの脳は、可能性を秘めた塊であり、シナプス的に形が整えられるのを待つ原材料だ。
10代の脳は興味深いものであると同時に、荒々しいほどの活力と感受性にあふれた存在なのである。
NIHでGの上司にあたるJL・Lは、児童精神医学研究グループの総責任者でもある。
思春期の脳が大きく育ち、変化を続けている事実は、ティーンエイジャーと彼らの脳を考えるうえで、新しい次元を切りひらいたとLは語る。
「微妙な変化が起こることはわかっていたけど、急激な変化と体積のピークにずれがあることを示したのはGが最初よ。
どうやら思春期には、シナプスの再構成が大々的に行なわれているみたいね。
こうした疑問は、暇をもてあます神経科学者の酔狂な好奇心で片づけられない。
脳の正しい発育のしかたを知っておかないと、いつ、どんな形で異常が起こるのかわからないからだ。
思春期の脳を観察して得られた新しい発見の数々は、脳の正しい成長を探る昔からの研究が土台になっている。
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